駅で野宿し涙が凍る。

それは、職場の仲間の送別会の帰りでした。その男は私と非常に仲が良かったので、わたしはそいつと働くことが出来なくなるのが哀しくて哀しくて、ついつい飲み過ぎてしまいました。

気がつけば、送別会の名目など完全に忘れて酩酊してしまい、わたしは記憶を失いました。おぼろげに、何軒目かで吐き散らした記憶はあります。そして、ふと気が付くと……全く知らない場所に居たのです。
しかも周囲は真っ暗。ふと目の前の光を見ると、無常にもそれは駅の光で、しかも今まさに消灯していくところでした。どうせなら保護してくれ!と思いましたが、駅は閉まってしまい、完全にわたしは独り、取り残されてしまいました。

どうやら飲み過ぎて、自分が乗るはずの電車とは反対方向に乗ってしまったようです。仕方が無いからネットカフェに行こうと財布を探ったらば、財布の中には一円もありません。出る前には確かに一万円は入れてきたはずなのに……?焦ったわたしは携帯電話で仲間にメールをしてみました。

すると、「さっきはごちそうさまでした! 家には帰れてるんですか?」と返事が来ました。さっきはごちそうさま?そりゃ、何のことだと返信すると、どうやらわたしは、酒の勢いで皆に奢りまくって、一文無しになってしまったようなのです。

しかも自分の居場所が、仲間が引き上げて行った場所とは180度違う場所だということまで判明しました。そもそもわたしは、仲間と途中ではぐれて、辺境までやってきていたらしいのです。仲間は途中でわたしを探すのに飽きて、めいめい自由解散にしたとか。は、薄情者!わたしは翌日も別の用事があったので、こんな辺境で朝まで過ごすことは出来ないと頭を抱えました。

いったいどうしたものかと思いました。所持金ゼロで、寒い夜空の下、どこだか分からない場所で一夜を過ごすなんて不安です。でも、行く場所もないので、駅の下に潜り込みました。ああ、飲み過ぎのせいでホームレスのようになるなんて……本当にショックだわ寒いわで、自然に頬から涙がこぼれ落ちました。

そして翌朝、私のまぶたはなんと、凍っていたのです!笑寒すぎて涙が凍ったんですね。駅員さんに発見されましたが、最初は凍死者なのかと思ったそうです。いやあ、散々な目に会いました。

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