好きな人に寝言でつっこみを入れ続ける

学生の頃、サークルの先輩のアパートで月に一度ほど飲み会がありました。当時同じサークルの男の子に片思いしていた私はこの飲み会を楽しみにしていました。私と彼の帰り道がいっしょだったので送って貰えて一緒に帰れたからです。

でもだんだんそれだけでは満足できなくなって気持ちを打ち明けたくなってきました。そんな時にまた先輩から飲み会のお誘いがあり、その飲み会の帰り道で告白することにしました。男の子に告白するなんて初めてのことだったので、家の前や道を歩きながらでは嫌だと思い、少し酔ったふりをして途中の公園で休もうとベンチに座ってから告白することにしたのです。

そして飲み会当日になりましたが、その日に限ってなぜか飲み会がなかなか終わらず盛り上がっているのです。告白の文句ばかり考えていて聞いていなかったのですが、夏休みが始まって先輩の部屋のまわりの人が帰省していたため遅くまで飲み会できるよと最初に言っていたそうです。

いつもは帰りに彼と話したいし、もともとお酒も強くないのであまり飲まないようにしていたんですが、その日は「酔って公園で告白」という計画があったので、飲んでないのもおかしいと思いワインを飲んでいました。途中からほっぺがほんのり赤くなっている方が告白にはいいんじゃないかと思い日本酒を飲んでみたのが失敗でした。飲みはじめは日本酒のCMの真似をしたりしてみんなからいい感じだね~なんて言われていたのですが、いつの間にか寝てしまっていたらしく、気付くと真夜中になっていました。

私が起きるとまず好きな男の子が「お前って実は面白いやつだな!笑いの才能あるよ」と言ってきました。私は寝てしまったあとに寝言でみんなの話に割り込んでいたらしいのです。先輩の部屋の話をしているときは「うむ。この屋敷は築400年ほど」とか、新発売のお菓子の話をしているときには「それは起源前にローマでつくられた」とか、はっきりした声で一言コメントをしていたそうです。

記憶にないやら恥ずかしいやらで告白どころではなく、その日は彼から私の寝言会話集を聞きながら帰りました。その後はもちろん彼と恋人同士になることもなく、実は面白いやつという評価を受けたまま卒業してしまいました。あとで考えれば告白しようと思っていた公園も良い雰囲気の公園とかではなく、住宅街によくある滑り台とブランコとベンチがあるだけの子ども用の小さな公園だったので、変なこだわりを持たないで帰り道に告白すれば良かったなと後悔しています。

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